Treasure!
太陽が傾き始めるのが、鬱蒼としたジャングルの中でも確認できた。

既に正午を過ぎている。

…一体ここは、大陸のどの辺りだろう。

気が焦る。

ティアはまだ無事なのだろうか。

既にローチにさらわれて一日以上経過している。

まさか奴らに殺されて、食料にされているなんて事は…。

悪い予感が頭をよぎり、それを必死で否定する。

俺が信じなくてどうする。

俺はティアの死体を回収する為に、こんな蒸し暑いジャングルの中を歩き回っている訳じゃない。

…やがて一時的に密林が開け、岩場に出る。

樹木に閉ざされ、遮られがちだった日差しを久し振りに拝む事ができた。

ホッと息をつく俺。

そんな俺の目前…岩棚の上に、見慣れたものが落ちていた。

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