Treasure!
血に塗れた、ショートブーツ。

ショートブーツが左のみ落ちている。

…息を飲みながら、それを拾い上げる。

…ティアのショートブーツだった。

何でこんな所に?

何で血に濡れている?

何で片方しかない?

よぎった予感が現実味を帯びる。

ショートブーツの落ちている先には、点々と血痕が残されていた。

まるで跡を追え、探しに来いと言わんばかりに。

その血痕はどこまでも岩場に続き。

「……」

身を屈めなければ侵入できないほどの狭い洞窟の奥へと、俺を導こうとしていた。

< 245 / 372 >

この作品をシェア

pagetop