Treasure!
ティアの提案に、俺は顔を上げた。

…彼女の話は胸躍る。

広大な土地、想像もつかないような冒険、目も眩むような財宝、貴重な古代遺産、まだ見ぬ奥義が記された指南書の数々…。

この世界には、俺の見た事もないもの、聞いた事もないものが溢れてる。

と。

「行ってこいや、コウ」

そんな言葉をかけてきたのは食堂の主人だった。

「若いうちは旅をして、経験を積んで、見聞を広めろ…こんな小さな村でまとまっちまう男じゃない…コウ、お前はそんなちっぽけなエイプじゃない筈だろ?」


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