Treasure!
「だ…だけど…」

主人の言葉に、俺は困惑した。

そりゃあ主人の言葉は嬉しい。

でも、俺が居なくなったらこの村はどうなるんだ?

誰が遺跡を守る?

用心棒の俺が居なくなったら、三流ハンターや盗賊に、遺跡が荒らされてしまうんじゃあ…。

そんな事を言いかけた途端。

「馬鹿野郎っっ!」

厨房から主人の投げた鍋が飛んできた!

あわや顔面直撃というところで、俺は咄嗟に体をそらして鍋を回避する。

派手な音を立てて、鍋は床を転がっていった。

「何自惚れてやがるコウ!お前、一人で村を守ってるとでも思ってんのか!」

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