Treasure!
主人は激昂しつつもニヤリと笑みを浮かべた。

「お前なんざいなくても、この村は十分にやっていける。ガキ一人に頼らなくてもどうとでもなるさ。いざとなりゃあ、俺一人ででも遺跡守りながら食堂経営してやるぜ」

その言葉が頼もしくて、嬉しくて。

俺は知らないうちに笑顔になっていた。

『いい人に恵まれてるね』

そう言いたげに、対面に座るティアの表情も笑顔だった。

「どうする?コウ」

ティアは言う。

どうもこうもなかった。

これでごねてたら、今度は厨房からフライパンが飛んできそうだ。

「行く!」

俺は力強く答えた。

「俺も世界を…お宝を見に行く!」



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