Treasure!
そうと決まればとばかりに。

ティアは木組みのテーブルの上に小さな布袋を置いた。

どすん、という音に混じって、コインの音が聞こえた。

「金貨5万入ってるわ。当面の所は、これで私がコウを雇う。私の用心棒としてね」

トレジャーハンターと契約を結ぶ用心棒。

トレジャーハンターはその職業柄、何かと危険が付き纏う。

護衛として腕利きの用心棒と契約するというのは、この世界ではよくある話だった。

「頼りにしてるわよ、コウ?」

「ああ」

テーブルを挟み、俺とティアは固い握手を交わす。

それは、旅のパートナーとして、用心棒として、契約が成立した瞬間。

そして俺の、世界を股にかけた冒険の旅の始まりの瞬間だった。

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