Treasure!
「うわっ!」

「きゃあっ!」

激しく揺れる気球。

既に雨によってびしょ濡れになり、まともに立っている事も出来ない。

流石に探索困難と言われるアフリカ大陸だ。

天気の移り変わりですら、俺達エイプの常識とは遥かに違う。

突風にあおられる気球は、いつ墜落するか分からなかった。

「仕方ない」

俺は気球からロープを吊るす。

「リハード少佐、ここでいい!俺達はここから徒歩で向かう!」

「馬鹿な!中央アフリカまではまだ相当あるぞ?」

目を丸くするリハード少佐に。

「ま、何とかなるさ」

俺は懸垂降下で気球を降りていった。

「今後コウと付き合うつもりなら、この程度の無鉄砲には慣れる事ね」

続いてティアも気球から懸垂降下。

嵐の真っ只中、俺とティアは遂にアフリカ大陸へと上陸した。

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