Treasure!
今にも吹き飛ばされそうな突風。

トレジャーハンターたるもの、ロープでの懸垂降下くらい出来て当たり前らしいが、この嵐の中ではそうもいかない。

散々風にあおられた挙句、最後には地面に叩きつけられるような形で尻餅をついた。

打ち付けてくる大粒の雨。

空を見上げると、リハード少佐が片手を上げるのが辛うじて見えた。

『幸運を祈る』

そんな意味に俺は捉えた。

この嵐の中で、無事に戻れるだろうか。

むしろリハード少佐達の気球の方が心配だった。

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