Treasure!
そんな事を言っていた舌の根も乾かないうちに。

「…!…ティア、伏せろ!」

俺は彼女の頭を押さえて地面にねじ伏せた!

「痛っ…ちょっ…何よ…」

「しっ」

不機嫌そうにこちらを睨むティアに、俺は黙るように合図した。

…数百メートル先に、黒い人だかりが見える。

が、このアフリカ大陸にエイプは俺達以外いない筈だ。

ならばあそこに集まっているのはローチに他ならない。

相変わらず醜悪な姿の、黒い蟲ども。

その蟲どもが寄ってたかって、大型の動物を襲撃していた。

あれは、象だろうか。

人間の時代よりも鼻が長く、牙が大きく発達したアフリカ象が、大きく嘶きながら暴れている。

しかしローチ達は執拗に象にまとわりつき、その牙で硬い皮膚を食い破り、象を鮮血に染めていた。

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