Treasure!
しかし、大型の象を仕留めるほどの数が存在するとは。

流石にローチの勢力圏だけの事はある。

さっきティアが言った通り、ローチを倒す事が目的ではない。

極力ローチ達との遭遇は避け、無駄な戦闘を回避して行動する方がよかった。

「さ、行きましょうコウ」

餌を食うローチ達に見つからないように、ティアは俺の手を引いて移動を始める。

それにしても。

「……」

俺はローチ達に食われる憐れな象の姿を見た。

この大陸もまた、弱肉強食。

そしてローチがこの地球の覇権を握れば、こうした強者が弱者を淘汰するという当たり前ながら凄惨な日常が当然のように繰り返されるのだ。


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