Treasure!
いけないいけない。

俺は何を考えている?

あまりに凄まじい話を聞かされた為に、ちょっと気押されしたみたいだった。

核戦争を生き延びたからって何だ?

それはエイプの始祖…あの皇帝の一族だって同じじゃないか。

胸を張れ。

過酷な状況の地球を生き延び、今ここまで繁栄したのはエイプだって同じじゃないか。

俺達エイプには生きる権利がある。

ローチ達と覇権を争う権利があるんだ。

…迷ったように立ち止まっていた足が、再び歩を進め始める。

「行こう、ティア」

俺は彼女に先を進む事を促した。

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