Treasure!
「前に辞典で見た資料の絵によく似てるもの…多分間違いないわ。これは核ミサイルよ…この様子だと、何らかの不具合が発生して、不発に終わったんじゃないかしら…」

どこかの国から発射された核ミサイルが、爆発する事なくこの場に突き刺さり、そのまま不発弾として残った。

しかも三千年も前の核兵器が…。

奇跡的な確率で劣化による汚染物質の漏洩も、暴発も起こる事なく、この場に三千年もの長きに亘り放置され続けたのだ。

「信じられないな…こんなものが、周囲に何の影響も与える事なく存在し続けるなんて…」

俺はただ、その核ミサイルを見上げる。

だが、ここにこのミサイルが残っていたのは、あくまで『奇跡』であり『まぐれ』に過ぎない。

今まで爆発しなかったからといって今後も爆発しないとも限らないし、下手をすれば今すぐ爆発したとしても何も不思議ではないのだ。


< 323 / 372 >

この作品をシェア

pagetop