Treasure!
俺とティアは背中合わせに立った。

これまでの戦闘で、ローチ達との戦い方はある程度慣れている。

次々と襲い掛かってくるローチを、俺達は迎撃した。

柔らかい腹部を狙って、手加減無しの渾身の打撃を打ち込む!

躊躇など無用だ。

相手はエイプ以上に高い生命力を持つゴキブリの進化形。

本気で殺す気で戦わなければ、殺られるのはこちらの方だった。

その拳が、刃が、悪臭漂う体液に塗れる事も厭わず戦う。

…仲間が無惨に叩き潰されるのを見ても恐れる事なく、ローチ達もまた我先にと挑んできた。

何の感情も持ち合わせていないかのような戦いぶり。

彼らが無機質な昆虫である事を、改めて思い知らされたような気がした。

< 335 / 372 >

この作品をシェア

pagetop