Treasure!
と。

「!!!!」

『それ』を感じ取ったのは、ティアも俺もほぼ同時だった。

突然の、全身を突き抜けるような悪寒。

そして抜き身の刃を突きつけられたような殺気。

「……」

俺は通路の奥…暗がりの中へと続く廊下を見据えた。

この先から、強い殺意を感じる。

「…まずいわ…コウ…」

ティアが奥歯をカチカチと鳴らす。

「何かいる…この奥にやばいものが潜んでるわ…」

「ああ」

わかっている。

こんなドギツイ殺気を感じさせられれば、嫌でもわかる。

分かった上で、俺はゆっくりと歩を進めた。

「コウ!」

「どの道Eワクチンを手に入れなきゃならないんだ。奥に進まなきゃならない」

それにこの殺気…俺は覚えがある。

この殺気の持ち主に、俺は過去に出会った覚えがあった。

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