Treasure!
饒舌に語った後。

「あ、ご、ごめんね、私ばっかりベラベラ喋っちゃって!」

急に照れ臭くなったのか、ティアはほんのり頬を赤らめた。

ティアには好感が持てる。

何か一つの事に情熱を注げる。

きっと人間の時代も、これからの俺達エイプも。

ティアみたいな奴が、世界を変えていくんだ。

「で、帝都からここまで来る間に、Eウイルスの手がかりは?」

俺が訊ねるも、彼女は首を横に振る。

収穫はゼロらしい。

「この村の遺跡に何か手がかりがあればと思って立ち寄ったんだけど…」

そりゃあ無理だ。

この村の遺跡は、古代遺産の重要度としては低い。

Eウイルスなんてお宝が眠っている筈もなかった。

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