Treasure!
「!!!!」

スカーフェイスの発言に絶句する。

「お前…始めからそのつもりで…?」

「ああ。俺の望みはエイプを根絶やしにし、ローチをこの惑星の覇者とする事だけ…そのきっかけを作る事が出来るのならば、命なんぞ惜しくはない。幸いローチは繁殖力旺盛だ。幾らでも増えるからな」

「イカレてるわ…!」

俺とスカーフェイスのやり取りを聞きながら、ティアが卒倒しそうな表情を見せた。

…まずい…このままじゃまずい。

「ティア」

俺は彼女に視線を向ける事なく言った。

「すぐにここから出ろ。帝都軍に撤退するように伝えるんだ」

核ミサイルの爆発に飲まれたら、一溜まりもない。

「俺がスカーフェイスを足止めして時間を稼ぐから」

「え…でも、スカーフェイスを一人で…?」

ティアの顔は青ざめる。

彼女だって奴の強さはよく知っている。

一人で戦うには強すぎる相手なのはわかっている。

それは俺だって同じだ。

だけど!

「行け!」

俺は叫んだ!

「誰かがやらなきゃいけない事なんだ!」

< 343 / 372 >

この作品をシェア

pagetop