Treasure!
こんなチャンスは何度も巡っては来ない。

俺はスカーフェイスの腹部に拳を添えた。

呼吸を整え、床を強く踏み締める!

「っっっ!」

スカーフェイスが危険を察知し、後方に飛ぼうとする。

巨体の割に反応が早い。

しかし俺もまた、エンパイアステートビルの時よりも強くなっている。

反応速度も技の初速も威力も、あの頃よりも上達している!

スカーフェイスよりも速く、『寸勁』を発動させる!

コンクリートの床に、足がめり込むほどの踏み込み!

添えられた拳から、凄まじい打撃が放たれた!

全身の筋力を『勁』にして流し込む技。

その衝撃は何トンになるのか。

如何にEウイルスで進化したローチでも、無傷ではいられなかった。

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