Treasure!
流石のスカーフェイスも、これには手を焼いたのだろうか。

滅茶苦茶に暴れる俺には迂闊に手を出せず、攻めあぐねる。

その隙に俺は壁際から脱出。

再び部屋の中央へと移動した。

「手間取らせる…」

苛立ったようなスカーフェイスの言葉。

対する俺も、呼吸はすっかり乱れてしまっていた。

スカーフェイスに攻撃を回避しているだけで、随分と消耗してしまっていた。

勝機が見当たらない。

俺の手では、奴を倒す手段が見つからない。

ならば…。

俺は背後にある、核ミサイルに視線を向ける。

…もうティアは、帝都軍に撤退するように伝えられただろうか。

同胞達が生き延びてくれる事を祈って…。

俺は腰のベルトに差した、ナイフを抜いた。

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