Treasure!
epilogue
中国大陸にある港町。

その大通りにある古代遺産専門店。

店の外にまで聞こえる声で店主がぼやく。

「あー…客がこねぇ…こりゃあ店仕舞いも考えなきゃいかんかな…」

カウンターに頬杖をつき、彼は溜息をついていた。

「一番最近に来た客っていつだっけな…ああ…秘伝書買っていったあの坊主か…出世払いにしてやるって、1070万もの品を5万で売ってやったっけ…」

いつか大物の冒険者になったら、その時に差額を払いに来ればいい。

そんなでかい事を言ったものの、結局は損したに過ぎない。

止せばよかった。

そんな風に思っているのかもしれない。

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