Treasure!
そんな店内に、俺は足を踏み入れた。

久々にやって来た客だ。

店主は勢いよく顔を上げ。

「おお!いつぞやの坊主じゃないか!」

その表情を輝かせた。

「おっさん、遅くなってすまない。ツケを払いに来たぜ」

俺はブットパックの中から、金貨の入った皮袋を取り出す。

「えっと…あの秘伝書幾らだったっけ…ああ~、まぁいいや。これ、5000万入ってるから。とっといてくれよ」

数えるのが面倒になって、俺は皮袋ごとカウンターに置いた。

「え?や、それはよくねぇよ、待っててくれ、ちゃんと釣りを」

「あー!いいのいいの!」

俺は慌てて店を出る。

「これから行くとこあるんだよ。急ぐからさ」

駆け足で扉を開ける俺。

その手には、『帝都軍フランク・リハード中佐とトレジャーハンターのティア・ハートロック、婚約へ』という見出しの新聞が握られていた。

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