Treasure!
勿論その後は、リハード中佐とティアから質問攻めだった。

結婚式はすっかり中断。

神父が迷惑そうな顔をしていた。

「それにしても、ティアとリハード中佐が婚約してたなんてなー」

あんたも隅に置けないねとばかりに、俺はリハード中佐を肘で突っつく。

「何を言う、君が死んだと思い込んで傷心のティアを、私は必死に慰めたのだぞ?…まぁ、そうするうちに…その…愛などが芽生えてだな…ゴホン…」

わざとらしく咳き込むリハード中佐。

お堅いのも相変わらずらしい。

「そんな事より!」

照れ臭いのか、ティアもまくし立てた。

「コウ!君まさか結婚式に出席するのに、お祝儀の一つも無しなんて事はないわよね?」

「あー…」

それを言われるとつらい。

持ち金は、全部港町の店で使ってきたしな…。


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