Treasure!
「だったらさ」

ティアがいつもの顔で笑った。

貴重な古代遺産をトレジャーハントに行く時の、あの笑顔だ。

「かつて『日本』って呼ばれた国に、まだ黄金が眠っているって噂があるの。トクガワっていう王家の一族の埋蔵金なんですって。お祝儀代わりに発掘に行かない?」

やれやれ…。

俺は申し訳なさそうな表情でリハード中佐の顔を見る。

『やれやれ』なのは彼も同様だった。

「君にかかったら新郎も形無しだな…仕方ない、結婚式は延期だな」

「悪いね、リハード中佐」

俺はティアの手を引く。

「あんたの『お宝』借りていくよ」


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