Treasure!
納得がいかない。

まだ日没には時間があった。

もっと更に進める筈だ。

なのに、ティアは頑としてそれを聞かない。

「止しなさい。もうそろそろ、日中に睡眠をとっていた動物達が目を覚ますから。寝覚めの動物は、お腹を空かせているから凶暴よ」

「大丈夫だって」

彼女の忠告も無視して、俺は一人歩き始める。

俺はわかっていなかった。

ティアの言う事は、ただの臆病風に吹かれての事ではない。

彼女のトレジャーハンターとしての経験に裏打ちされた言葉なのだという事が、理解できていなかったのだ。

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