Treasure!
「そのナイフは優れものだぞ」

主人が言う。

「ナイフの柄尻の蓋が方位磁石になっている。柄の中には薬品や縫合用の針を入れておく事もできる。潜入や隠密の際の携行武器としてオススメだ」

確かによく考えられている武器だけど、俺は徒手空拳での戦闘が専門だから、いらないかな…。

引き続き店内を見て回る。

おかしな仮面が置かれていた。

目の部分に眼鏡のようなレンズがはめ込まれており、口の部分には円筒状の部品。

顔を守る防具にしては、強度がなさそうだけど。

「ガスマスクっていう、ヨーロッパの方で発掘された古代遺産だ」

また主人が言う。

「それがあれば有害な火山性ガスや毒物の噴霧の中でも自由に動ける。金貨15万でどうだ?」

これまた俺には無縁のものだった。

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