Treasure!
どうやらこの店には、俺の目当てのものはないらしい。

早々に店を立ち去ろうとした時だった。

「!」

視界の端に、何かが飛び込む。

俺は足を止めてそれを見た。

「……お前なかなかの目利きだな、坊主」

主人がカウンターに頬杖をつき、ニヤリと笑った。

俺が目にしたもの、それは古い書物だった。

表紙は紙の劣化と汚れによって黄ばんでいる。

だが表紙に書かれている古代文字は、俺の持っている指南書とよく似た形状のもの。

確か『漢字』と呼ばれる古代文字だったか。

「そいつは北米大陸の『サンフランシスコ』って都市の跡地で発見された、古代武術の秘伝書だ。今では貴重な品だぜ?」

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