Treasure!
右拳を叩き込んだ俺。

斧を振り上げた男。

互いの動きは止まったまま。

しかし。

「!」

男が動く!

前傾姿勢のまま、斧を振り下ろし。

「う…ぐぅ…」

男はそのまま前のめりに倒れた。

得物の斧を落とし、甲板に顔から突っ伏す。

戦闘を見ていた他の客からどよめきが上がった。

「………」

そんな中、俺は呼吸を荒げる。

今も拳に残る、かつてない手応えを感じながら…。

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