Treasure!
「コウ!」

ティアが俺に駆け寄ってきた。

「凄いよコウ、あんな大男を一撃なんて!」

「……」

俺は彼女の顔を見て、懐から例の秘伝書を出す。

「なぁティア…この秘伝書、本当に偽物なのかな」

「え?」

ティアがキョトンとした顔をした。

…俺はこの秘伝書に書いてあった事を僅かに読み、よく理解しないまま実行しただけ。

にもかかわらず、男は一撃の下に敗北を喫した。

付け焼き刃でこの威力。

…とても秘伝書に書いてあった内容が、紛い物とは思えない。


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