Treasure!
5
波は穏やか、風は軟風。

船旅は三日目が終わろうとしていた。

俺は船首に座禅を組んだまま、静かに目を開く。

…船の向かう先に、陸地が見えてきた。

新天地、北米大陸。

そしてその沿岸に大きな街が見える。

これからこの船が入港しようとしている、北米大陸最初の街だ。

「コウ」

甲板の方から、ティアの呼ぶ声がした。

「そろそろ船が着くわよ。降りる準備しておいて」

「ああ」

俺は立ち上がり、船首で連続バック転!

三度目のバック転で空中に飛び上がると、高速宙返りを決めてティアの目の前に着地した。

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