cold pupil
「うん、今日はもう寝なよ。風呂入るでしょ?」
あたしは立ち上がって、洗面所に歩き出した。
「何で聞かないんですか?」
後ろを振り向くと、成は俯いていた。
「何を?」
「家出した理由。」
あぁ。
「良いよ、別に。」
「でも、此処に来た理由は家出したからで……。」
「言いたくない事の1つや2つはあるでしょ。それに、あたしが勝手に言い出した事だし。」
「華奈さん……。」
「安心しなよ。あんたが此処に来た理由も無理に聞かないし、話たければ話せば良い。追い出したりしないから。」
「華奈さん、宜しくお願いします!」
「うん。」
これで、家出君、成との奇妙な同居生活が始まった。