cold pupil
「で、何で分かったの?」
「華奈さんの家に居るって事は分かってないと思うんすけど、兄貴達の縄張りの中で探しても見つからないから、ここら辺に居るのはばれてるんじゃないかと。」
て事は。
兄貴は成を心配して、自分の縄張りは探した。
だけど、成は見つからなかった。
でも、歩きでそんな遠くまで行けないし、代々ここら辺に居るんじゃないかと思ったわけだ。
「で、あんたはどうするの?」
「あの…………。」
「ん?」
「俺…………、」
さっさと喋ろーよ。
「此処に居ちゃ駄目ですか?」
は?
「いや、多分、今帰っても兄貴と喧嘩するだけだし。それに、まだ少し華奈さんと居たいんです。」
「あたしは別に良いけど。」
「まじっすか!?」
成は勢いよく立ち上がった。
「う、うん。良いけど。」
ビックリしたぁ。
「あ、さっそく晩御飯作りますね!」
成は買ってきた食品を持って、キッチンに消えていった。
成とまだ入れるのかぁ。
あたしは嬉しくて頬が緩んだ。
てか、兄貴居たんだね。うん。
あたしは、成が"黒風"の総長の弟だ、って言うのを忘れていた。