cold pupil




「華奈さん―!」



成がまだ此処に居る事を決めた日から数週間がたった頃、部屋で雑誌を読んでいると、成の声が聞こえた。



「華奈さん―!飯、出来ましたよ―!」



「はーい!今、行く―!」



あたしは雑誌を閉じて、部屋を出た。



うわ。


美味しそうな臭い。


「カレー?」



「いいえ。俺風お好み焼きです。」



「成風?」



「はい!お好み焼きって色々作り方あるじゃないですか?だから、これは俺風です!」



「美味しいの―?」



「え?華奈さんひで―!美味いっすよ!」



ソファに座って成風お好み焼きを食べてみた。



ん?


「美味しいでしょ?」



「うん、美味しい!」



「良かったぁ!」



結局、予想以上に美味しくて沢山食べてしまった。




「華奈さんが予想以上に食べてくれて良かったです。」



「ん。だって以外に美味しいからさ。」



「以外って……。このお好み焼き、兄貴が好きなんですよ。」



「へ―。」



「俺、本当は分かってるんです、俺が悪いって。でも、兄貴が…………。」



「兄貴はさぁ、どんな奴?」



「え、あ、兄貴は……、あ、大我って名前なんですけど。」



あたしは"大我"って名前に鳥肌が立った。



「でかい男だと思います。男として尊敬出来る。」



成はこっちを向いて「ブラコンじゃ無いですよ。」と苦笑いで言った。



「仲間を第一に考えてくれて、幹部の人とは勿論仲が良いし、しかも下っ端の事もちゃんと大事にしてるんです。」



超デッカイ奴じゃん。

あたし達の族じゃあり得ない。


あたしは仲間だと思って接しようと思ってるけど、流衣達は下っ端を兵隊としか思っていない。


「下っ端と遊びに行ったり、後家族を大事にします。」



「おふくろの事も、親父の事も。とにかく、でかい男です。」



兄貴の事、大好きなんだなと成の横顔を見て思った。







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