cold pupil
「柘。」
珍しい。
柘はあまりここに来ない。
「その女は、夏騎が入ってくる時に、紛れて入った女だ。俺が見た。」
あたしは女を見た。
顔を青ざめている女。
「ほら、言っただろうが!」
「はい、はい。ごめん、ごめん。」
「華奈、中で葛城さんが待ってる。此処は俺に任せて、行け。」
「ん。」
あたしは女に近寄って、
「お大事に。」
と耳元で呟いた。
女は逃げ出そうとしたが、輝によって止められた。
あたしは振り返って、奥の部屋へと向かった。
「殺れ。」
柘の声が響き、
「「「おらぁ―!」」」
男と女の叫び声がクラブ中に響き渡った。