cold pupil




「柘。」



珍しい。


柘はあまりここに来ない。



「その女は、夏騎が入ってくる時に、紛れて入った女だ。俺が見た。」



あたしは女を見た。


顔を青ざめている女。


「ほら、言っただろうが!」



「はい、はい。ごめん、ごめん。」



「華奈、中で葛城さんが待ってる。此処は俺に任せて、行け。」



「ん。」



あたしは女に近寄って、



「お大事に。」


と耳元で呟いた。



女は逃げ出そうとしたが、輝によって止められた。



あたしは振り返って、奥の部屋へと向かった。



「殺れ。」



柘の声が響き、



「「「おらぁ―!」」」



男と女の叫び声がクラブ中に響き渡った。






< 28 / 126 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop