cold pupil
「華奈さん、何作るんですか?」
「何でも作れるから、好きな物言えよ。」
「じゃあ、華奈さんの得意料理で。」
「絶ーっ対上手いから。」
「…………期待しときます。」
「今の間は何よ?」
「何でも無いでーす!」
「てめっ!」
あたしはいきなり走り出した成を追いかけた。
「華奈さん!」
走りながら話し掛けてくんじゃねぇ!
「何!?」
こいつ、足早い……。
「俺、明後日帰ります!」
え?
あたしの足が止まった。
成はそんなあたしに気づいて、走るのを辞め振り返った。
「俺、明後日帰ります。」
「…………そっか。」
「今日は華奈さんの料理を食べますけど、最後の日は俺の料理食べて下さいね。」
うん。
あたしは返事の代わりに笑った。