cold pupil
「成、お待たせ。」
テレビを見ていた成に声をかけた。
「あれ、化粧してます?」
「うん、軽くね。」
「綺麗ですね、じゃ、行きますか。」
こいつ……。
「華奈さん、顔赤いですよ?」
「うっさい。」
あたしの顔を除き込んできた成を押し退けた。
「華奈さんが照れてる!」
成を無視してエレベーターに乗った。
「華奈さん、待ってくださいよ!」
閉まる直前に成が入ってきた。
「成が悪いんだからね。」
「えぇ―?俺は誉めただけなんですけどね。」
「もう、言わないで。」
「了解しました。」
成はその後もずっと笑っていた。