cold pupil
「これは?」
成が手に持ったのは、
黒い小さいリングと
黒い小さい星がかかってるネックレスだった。
「こんな女っぽいので良いの?」
「そうですか?結構"黒"って所が厳ついかな?とか思ったんですけどね。」
「あんたが良いなら良いけど。」
「じゃあ、」
「何かお探しですか?」
成の声は誰かにかき消された。
声のした方を見ると、
定員さんらしき男の人だった。
「何かお探しですか?」
「ネックレス探してたんですけど、これにしよっかなと思って。」
と、成はさっきのネックレスを指差しながら言った。
「こちらですか?可愛いですよね。これ実はペア物で、これの男番があるんですけど、どうですか?」
成が定員さんの言葉を聞いて、こっちを向いてきた。
「見ます。」
あたしは定員さんの目を見て答えた。
「はい、ちょっと待っててくださいね。」
定員さんはそう言って、走って店の奥えと消えていった。