cold pupil
「本題?これまた真剣な顔だな。」
「まあね。」
「その話は幹部として、それとも。」
「あたしとして。輝の友達として頼みがある。」
「頼みねぇ。」
輝が煙草に火を付けながら言った。
「あんたが聞いてくれないなら、幹部として言う。」
「結局、聞かなきゃいけない訳だ。」
「まぁそうなるね。」
これも、成の為だから。
「頼みでも何でもねえな。まあいいや。言えよ。」
あたしは咳払いをして椅子に座り直した。
「輝、明日車貸して!」
「………はぁ?」
「だから、車貸して。」
「お前、免許持ってねえだろ。」
「持ってないよ。」
「じゃあ、貸しても何もねえだろうが。」
輝は"馬鹿じゃねえの"とでも言うような顔で言った。
成を横目で見ると、"よく分からない"って顔をしていた。