cold pupil
「いつ?」
「いつバレたかは知らないけど、言われたのは昨日。」
「GHOSTに来た日だよな?」
「うん。あ!あの女の子ちゃんと助けてくれた?」
「当たり前だ。あんなのにあったら死ぬな、絶対。」
あのクラブで超ガンつけて来た女。
あたしも無視して通り過ぎても良かったんだけど、あまりにも目立っていた。
周りの奴等も気づいてた筈だから、無視出来なかった。
あの女も素直に謝れば何もしなかったのに、あたしに"ある程度の態度"をしなかった。
だから、あたしも何も言えなかった。
クラブに居る全員に"殺れ"と言った拓にも、その子に殴りかかって行った奴等にも。
いつもだったら、軽くであたしが止める事が出来たけど、拓だったから。
拓は良い奴だけど、冷たい所がある。
ルールを破った奴には容赦しないから。
「勿論、あの後手当てしたよ。多分、俺が一応拓さんに言ったから、軽めにしといてくれたと思う。」
良かった。
輝が拓に"軽めに"ってお願いして無かったら、あの女の子は絶対に気を失ってたと思うから。