cold pupil
「話、戻すぞ。で、葛城さん以外にはバレてないんだよな?」
「ううん、流衣にもバレた。」
輝はもう呆れ顔だ。
「流衣は、後2日で成と手を切ろって言ってきた。」
「それ、今日の話か?」
「うん。昨日、GHOSTから帰ってきた後、成とスーパーに行ったんだけど、その帰りにマンションで会っちゃって。」
「で、バレた訳だ。」
「咄嗟に誤魔化したんだけど、顔とか全然隠してなくて。」
あれは、誤算だった。
夜でも、
イヤ、夜だからこそ
変装でも何でもすれば良かったんだ。
油断し過ぎてた。
「バレたもんは、もうどうしようもねえからな。」
輝はあたしの頭を優しく撫でた。
「実際、流衣さんが俺らがこんなに仲良いって知ったら、殺されるな。」
うん。
そうだね。
「あたし、帰るね。」
「ああ。華奈、余計な事は考えるな。今日は成の事だけ考えてやれ。」
「うん、今日はありがとね。」
「ああ、明日な。」
あたしは車から降りて、
「おやすみ」と言ってマンションに入っていった。