カクレンボ
「お前、男をなめてんじゃねーよ!おい、相手は女子だ。余裕でおさえつれられるぞ!」
沢入が叫ぶ。その言葉に大半の部員が恐怖から立ち直り、「うおー!」と雄叫びを上げ奈々につかみ掛かる。
しかし虚しくも奈々は身軽にかわし手もとのナイフを逆手に持つと、沢入の首を目掛けて思い切り振り落とした。
一瞬何が起きたかわからなかった。沢入の周りの連中は身をかわした奈々に視線を集中させていたときだった。沢入の首から血が吹き出し白い制服を真っ赤に染めた。
奈々は倒れかかった沢入の髪の毛を掴むと、突き刺さったナイフを思い切り真横に倒した。ゴキッ、と鈍い音がした。どうやら脊髄に引っ掛かったらしい。奈々は舌打ちをすると沢入の体に足をのせ思い切り踏み付ける。
骨が折れる音がした。