カクレンボ



俺は思わず目を丸くした。予想外だ。助かるかもしれないと希望を抱く。これだけ広い家だ、隠れていれば二時間などぞうさないはずだ。皆そう思ったのかその表情に希望の色が見られる。



この狂った状況から抜け出せる――。



「……もし、見つかったら?」



中里が恐る恐る尋ねた。全員の顔が硬直し、みるみる強張っていく。それは聞いてはならない。誰もが感じていたことだ。聞いてしまったら、もう後には戻れない気がしたからだ。
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