三度目の指づめ
情け容赦の無い繁華街と黴
雨…

一体何時から降り出したのだろう。



ポツポツ。


あたしの頭上から底抜けに降り注ぐ霧雨…
何処か心地よい。
まるで母体の中の揚水に浮かぶ様だ。
たゆたぅ度に顔がひんゃりとrealに引き戻される。
傘なんか射さない…
出来ればこのまま地面と一体化し体全体で受け止めたいぐらいだ。
ゆっくりと仰ぐ。


こんな日だから…
何時以上に安らぎを感じてしまぅのかも知れない。

そう思った。


ただ…水を待ちかねた植物の様に毛穴全てで吸収していた。

その為に、生まれてきたかの様に……
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