三度目の指づめ
だから、あたしゎ美沙子の死など認めたく無かった。

認めれば必然的に己の罪も認めざるを得なくなる。
あたしゎ逃げたかった。
現実逃避をしたかった。




「何にも…答えなぃのね。最低よ!!美沙子が…可哀想だょ。」





吐き捨てる様に鈴が叫んだ。


何処か心地好い。

己の罪まで剥き出しになる様でいた堪れたい気持ちが溢れた。今更…一体何を話そうか。

何をぃっても…説明にはならない。言い訳だ。

ぃや、何も言う権利などない。
罪人でぁるあたしゎ、美沙子を見捨てた。拒否した。

今度はあたしが拒絶される番なのだ。
そぅ、あたしがしてきた様に…
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