三度目の指づめ
そんな間抜けな姿を長い睫毛をなびかせ微笑ましく見つめる。男…
『あんな、かゎぃぃわね。』
ぷっくり膨れた薄紅色の唇を上下させる。
思わず、ドキリと鼓動が高速した。色気さぇ、感じさせる容姿が水玉の愛らしい傘に栄えた。
〈歌舞伎町二丁目〉
声に出さずに動かす唇。みとれた。
時度チロリと顔を覗かせる白い歯。全てが魅力的で官能てきだ。
戸籍上女であるあたしがいたたまれなく恥ずかしい。
今…魅力の欠片もおろか…人間的魅力さぇ失っているあたしは絶望的に落下した。