三度目の指づめ
“歌舞伎町二丁目の人間と接したい”
そんな淡い願望ゎ日を追ぅ事に拡張して行った。
口には出せないし、誰にも言えない。
M子に紹介など頼めない。
只…何かの偶然で巡り会いたい、そんな、不可能と思える非現実を願い求めていた。
今、目の前に立つ長身の美貌をかね揃えた男…いゃ、女は、あたしの非現実を現実にした。
余りにも、突発的な事に頭のコルクを抜かれる。
シュルシュルと液体が漏れる様に半開きの口からため息が顔を出した。
『綺麗』
ふと、出る言葉…