三度目の指づめ

そして…霧乃MASTERは己の感情を一切表に出さない。

彼が…喜んでいるのか否か、判断に当惑する時は、准に委ねる。それが、しきたりだ。
下手に行動をして、意外に短気な霧乃MASTERの怒りをかえば、二度と店に立てない、といぅ噂だ。
一概に嘘と笑えない。
翌日の1面に死体で名が載っていても納得出来てしまう程だ。

だから、霧乃MASTERに気軽に冗談が通用するのは、准だけだった。


そんな、今までとはかけ離れた世界に身を置く毎日…
何時しか、自宅には三ヶ月帰らない日もざらになった。
元々、母親さぇ半分見捨てた状態だったので、まるで親戚でも帰ってくる時の様に…服を取りに帰るあたしに普通に接して来た。
怒りも悲しみも示さない。

諦めだ。

汚い物には蓋をしろ、母親は完全に目を背けていた。
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