三度目の指づめ


「あっ、はい。…すみません。」


まるで…鬼教師に怒られた様に縮こまった。
赤面した顔面から…顎にかけて痛みと熱が行き交う。

もの凄く長く感じるレジ打ち…
橋って逃げてしまいたい。



「ヨーグルト…新しいのお持ちしま…」


気付いた様に…店員がレジを離れる瞬間。


「いゃ、もぅいいです!!!」


叫んでいた。

そんなのどうでもぃい。一分一秒としてこの場にいたくない。存在を消してしまいたい気持ちで一杯だった。




「ありがとうございました…」


耳を僅かに霞めた店員の決まり文句…
今のあたしにとっては救いの様な一言…
やっと開放された。
< 47 / 92 >

この作品をシェア

pagetop