三度目の指づめ

脳裏に浮かぶ…二種類の選択肢。

一つは、聞こえない振りをし、一心不乱に人混みに紛れ同調し拡散する。
そして、何事も無かった様に…日常に没頭し、忘れさせる。

もぅ一つは、律儀に立ち止まり…あたしの汚点を一部始終目撃した者と接触し、己の低脳さを改めて知る、とぃうものだ。


否、あたしは選択の余地などなぃ。



気付けばあたしは…全速力で人混みに溶け込もうとしていた。ワザとローカル通りの交差点を横切る。
ジグザクに交差したり…がたいのぃいみずしらずのアベックの影に隠れたり…まるで…警察の尾行をまく犯人みたく…無我夢中で逃げていた。
次第に…低い呼び止める声が消える。

その内雑音に完全に…消失した。