三度目の指づめ


「嗚呼。生憎ばっちりな。」


「ΣΣ!!!!!!!!!!!!」



電気ショックを受けた様に…飛び上がった。
予想外の声が…頭上から降り注ぐ。まさに…恐怖体験の何物でもない。
余りの驚きに悲鳴さぇ出なかった。

いるはずもない、聞こえるはずもない、低い声が…確かに聞こえる。
全身の産毛が逆立った。


ゆっくりと…ゆっくりと…状況確認のために…振り向く。
空耳である事を…祈っていた。

「きっ…霧乃MASTER…」


しかし…あたしの天への切なる願いは悉く砕けた。
そこには…への字に歪めた口もとが印象的な…霧乃MASTERが涼しげな顔でみおろしていた。
汗粒一つさぇ、かいていなかった。
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