三度目の指づめ
初めの方は、毎日の様に見舞えに来ていた母親でさぇ、度重なる入院と費用で次第に片方の指で数える程しか顔を見せなくなった。
しかも…何か重大な時にしか現れない。
普通の何でもなぃ日に、ケーキ片手に来る何て…期待すらしていなかった。
隣のみず知らずの餓鬼が飽きたシュークリームのお零れに預かる事があたしの細やかな楽しみだった。
他人の子が愛情を一心に受けている姿を見ていると…錯覚してしまぅ。
“もしかしたら…隣の母親が実の親なのかも知れない”
と…。
錯覚は妄想に妄想は思い込みに変化して行く。
あたしは何時しか…他人行儀な子になっていた。
いぃ子にして要ると…優しくして貰える。
何かしら…貰える。
そんな裏読みしてしまう汚い人間になり下がってぃった。