三度目の指づめ
そんな幼い頃のトラウマは今でも、体に刻まれていた。
本当に捨てらてしまった今では、怖がることなどない。
でも、第2の家族…
そぅ、准は…来てくれるだろうか。
あたしが生死をさ迷う時…何もかも後回しにして、掛けてくれるだろうか。
試す勇気さえない。
もし、来なかったら?
また、ぁの悲しい悪夢が起きたら?
見捨てられたら?
花火の様に浮かんでは消える…悪い癖。
何処までもネガティブなあたしがそこにいた。
順番待ちの長椅子に座る患者の並んだ背中は、まるで、死刑台に向かう列の様に…冷たい。
一人…また、一人と、白いカーテンに吸われる。
慌ただしく、駆ける看護婦が見えない恐怖を増殖させた。